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『…あのさ!!もし俺が逃げ出したりしたらどうなったんだ?』
俺が女にそう問い掛けると女は身に纏った赤いコートを揺らしながら近づきポケットに手を入れるとそこから鎌を取り出し俺の首もとにピタッとくっつけ微笑んだ。
『…秘密だ♪』
『あっ…あははっ…。』
全てを悟った俺はただ苦笑いを浮かべ女を見る。
やっぱ聞かなきゃ良かったな……。
そんな事を思いながらも俺は直ぐ様振り返り帰路につく。
だがに直ぐに後方から声を掛けられ振り向いた。
『気をつけて帰れよー!青年。』
あんたが言えたセリフかそれは!?
そんな事を思いながらも俺も彼女に微笑みかけた。
―――その時だ。
ほんの一瞬…。
目の錯覚かもしれないけどそこには口も裂けていないひとりの美しい女性が見えた…。
彼女は俺に嬉しそうに微笑みかけただ目一杯手を降る。
俺は目をごしごしっと擦ってまた見てみるとそこには彼女の姿はなく、ただ街灯が冷たいコンクリートを照らしていた…。
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