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『じゃぁこの写メ翔たんに送るね!』
私がメールで送信しようとした時…
「あっうん。」
翔太のうかない返事でハッとする。
『ごめん。彼女に見られたらヤバイもんね。これは私が大事にしとくよ!!』
「ごめんな…」
『もぉ!!そんな顔しないの!見てみて…この翔たんの顔おもしろすぎだょ…』
キャハハと笑いながらも、なんだか虚しくなる。少し彼女の存在を忘れるくらい今の時間がすごく幸せだった。
これだけ翔太と手を繋いでも、キスをしても、抱き締めても、
結局本当の心は彼女で染まってる。
あの頃と変わらない。
翔太がゴロンとベッドに横になった。
私もくっついて翔太の腕に頭を乗せる。
「ねぇ…」
『なに??』
「由衣たんは…俺のこと、好き?」
『…大好きだよ。』
「昔も、…今も?」
『うん。』
「ありがと。」
翔太は上を向いたまますごく遠い目をしてた…
今何考えてるんだろう…
翔太の頭の中も心の中からも、彼女の存在を消せれたらいいのに…
『翔たんは?』
「ん?」
『私の事……あの頃』
「…」
『なんでもない。』
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