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翌日の夜8時…
翔太は特急に乗り私が居る市まで来る事になっていたから、私はタクシーで駅に向かった。
なんだか顔を合わせるのが恥ずかしく、私は駅の中には入らず外の階段に座った。
特急が止まる音がしてざわつき始める…
それでも私は立ち上がれなかった。
「由衣たん?」
後ろから声がして振り向くと、翔太だった。
『翔たん…』
高3の1月に会ってから、半月ほどしかたってないのに、翔太は少し雰囲気が変わり…かっこよくなっていた。
まっすぐ見つめる事が出来ず私は俯く。
「なんか大人っぽくなったなぁ…」
『翔たんも…』
「服装だけな(笑)」
そう言って笑う翔太につられて私も笑った。
『どこ行きたい?』
「カラオケ!」
『じゃあ行こう♪』
私たちはタクシーに乗り、私が店の子とよく行くフリータイムが安いカラオケ屋に向かった。
タクシーの中では何を話せばいいのか分からなくて…沈黙だった。
でも私の心臓は…
高鳴っていた。
それは、とても懐かしい感覚だった。
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