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それでもお互いに少し離れて座る距離は縮まる事はない。
きっと私が翔太に寄り添えば、翔太は優しく私を包みこむだろう。
だけどそれが出来ない…
変なプライドも邪魔するんだ。
あの時は"拓ちゃん"という彼氏がいた。なのに抵抗もなく翔太に抱きつけたのは、誰かに愛されてる自分だったから。
でも今は違う。
誰にも愛されてない私が翔太に抱き締められたりしたら私は壊れてしまう。
私が今すごくすごく寂しい事を分かられたくない。
「なんか歌お!」
『うん』
翔太の久しぶりに聞いた歌声は私の心にスーッと入り込む。
自然と私も翔太も、切ない歌ばかり歌ってる気がした。
私はずっと翔太への自分の気持ちを代わりに歌われているような気がした歌を入れる。
ずっとこの歌を聞いて欲しかった。
この歌を聞きながら私は何度翔太を想い泣いただろう。
何も知らない翔太は隣でリモコンをいじるのに夢中。
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