ただ愛が欲しいだけ

再会

翔太がいくら私に"好きだよ"って言ってくれても…

結局私は彼女には敵わないんだ｡

だからやっぱり聞くのをやめた…

「なんでもないって？聞いて？」

『いい…今翔たんが私といて幸せって思ってくれてるならそれで充分だから｡』

「幸せ｡俺は由衣たんを忘れた事ないよ｡あの頃も今も…大好き｡」

『…ありがとう｡』

私は､見つめてくる翔太の瞳から目をそらした｡

「俺､彼女いるのにこんな事言うのおかしいけど…待っててほしい｡もう少し｡俺絶対彼女と別れるから…」

『…』

「由衣たんをもう他の男には取られたくない…｡俺仕事も頑張るから｡絶対俺と…」

翔太はｺﾞｸﾘとつばを飲み込んだ後､

「結婚して？」

真顔で言う翔太に私は笑った｡

『私と結婚してくれるの？』

「うん､絶対｡今は説得力ないけど…俺本気でそう思ってるよ」

『嬉しい…』

この言葉を嘘とは思いたくない｡翔太は彼女との関係を"微妙"だとか､"もう終わってる"なんて言った事はあるけど､自分から"絶対別れるから"なんて言ったのは初めてだった｡

その言葉だけで､私は嬉しかった｡半信半疑だった翔太の"好き"も…信じられる｡