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タクシーに乗り込み駅に向かう私達。
私は翔太の手を強く強く握る。
翔太も、私に答えるように優しくギューと握り返してくれる。
離れたくないよ…
次はいつ会える?
寂しさが襲う。
翔太も口数が減る…
駅に着くと、本当にここでお別れなんだと実感して…
まだまだ一緒に居たいし、ずっと側に居たいし…言いたい事もたくさんあるのに、
私はただ、切符を買う翔太と手を繋ぎ一緒に歩く事しか出来ない。
少しだけ時間があるからと、翔太が私の手を引き駅の裏に歩いていく。
『どこ行くの?』
翔太は急に立ち止まり、人けの無いその場所で…
私に長い長いキスをした。
「また会いに来るよ、絶対。」
『うん。』
翔太は私を痛いくらいに抱き締めて…
「俺由衣たんがまじで好き。」
『私も…翔たんが大大大好きよ』
また私に抱きついて翔太が泣いてるのが分かった。
『泣き虫…泣かないの。私待ってるから。翔たんが私だけの翔たんになってくれるの。いつまででも待つからね』
「由衣たん…」
泣きそうになったのを私は必死でこらえた。
翔太から離れて、濡れた顔を手で拭いてあげる。
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