再会

13/18
前へ
/1315ページ
次へ
タクシーに乗り込み駅に向かう私達。 私は翔太の手を強く強く握る。 翔太も、私に答えるように優しくギューと握り返してくれる。 離れたくないよ… 次はいつ会える? 寂しさが襲う。 翔太も口数が減る… 駅に着くと、本当にここでお別れなんだと実感して… まだまだ一緒に居たいし、ずっと側に居たいし…言いたい事もたくさんあるのに、 私はただ、切符を買う翔太と手を繋ぎ一緒に歩く事しか出来ない。 少しだけ時間があるからと、翔太が私の手を引き駅の裏に歩いていく。 『どこ行くの?』 翔太は急に立ち止まり、人けの無いその場所で… 私に長い長いキスをした。 「また会いに来るよ、絶対。」 『うん。』 翔太は私を痛いくらいに抱き締めて… 「俺由衣たんがまじで好き。」 『私も…翔たんが大大大好きよ』 また私に抱きついて翔太が泣いてるのが分かった。 『泣き虫…泣かないの。私待ってるから。翔たんが私だけの翔たんになってくれるの。いつまででも待つからね』 「由衣たん…」 泣きそうになったのを私は必死でこらえた。 翔太から離れて、濡れた顔を手で拭いてあげる。
/1315ページ

最初のコメントを投稿しよう!

32582人が本棚に入れています
本棚に追加