32582人が本棚に入れています
本棚に追加
「またすぐメールする。また会えるよな。会いに来るから。」
私は頷く。
翔太は涙をこらえてる。私はもう、翔太がぼやけてしまうくらい、涙が溢れて止まらない。
何度も何度も振り返りながら、翔太は特急に乗り込んだ…
窓側の席に座り、すごくすごく…
切ない顔をしてた。
私は涙を袖で拭いて、翔太に手をふる。
翔太も手をふった。
走り出す特急…
私は翔太が見えなくなるまで手を振りつづけたんだ。
でも翔太は…
途中から、手で顔を隠すように俯いた。
泣いてた。
泣き虫…
私も泣いてごめんね。
笑ってバイバイしたかったのに…
私は唇を噛みしめ…駅を出てタクシーに乗る。
『○○マンションまで…』
私は下を向く。スカートに涙がたくさん落ちる。 さっきまで一緒に居た翔太の可愛い笑顔や、手をふる切ない顔…
翔太が言ってくれた言葉…
全てが頭も心も一杯にして…
甦ってしまった翔太への気持ちが胸を圧迫させて、痛くて、苦しくて…
翔太の言葉を信じたい自分と信じきれない自分とで、分からなくなった…
最初のコメントを投稿しよう!