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檻のなか
君はいつも楽しそうだったね
いつも、僕の横で笑ってくれる
君の瞳が僕を見ると、僕は暖かくなった気がした
でも、いつのまにか君は喋らなくなった
寝たように横たわったまま、動かなくなった
必死で話し掛けても君は答えてくれなくなった
そしてある日、君は腐り始めた
ドロドロのグチャグチャになり始めた
話は出来る
姿は見える
でも、触れられない
それは、檻のなか
檻の外の君とは、決して触れられない
「いつか、君を抱き締めに行くよ」
ドロドロのグチャグチャになっても、骨が見えても、やっぱり君は美しい
END
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