第一話 君との出会い

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桜が舞っている。 大学の門をくぐり、玄関へと向かう。 「おー、刹」 中に入ると、同じ学部の知り合いが声をかけてきた。 「よぉ…」 だるそうに返答をした。 「お前、落第したって!?」 人の不幸に楽しそうだ。 「そーだな」 答えて教室へと向かう。 オレは市原 刹(イチハラ セツ)。 単位が足りず落第、2度目の大学2年生だ。 (今日バイトなんだよなぁ) 危機感などまったくと言っていいほどない。 ごく平凡のことを考えていた。
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