君と過ごした季節

第一話 君との出会い

桜が舞っている中を歩く。

暖冬のため、例年より早く桜が咲いた。

大学の敷地内にはたくさんの桜の木が植えられている。

玄関から門までの桜並木は観光名所にでもなりそうなぐらい、立派で綺麗な花を咲かせていた。

大学の敷地から出ても、右に行こうが、左に行こうが桜並木は続いている。

くるくると薄い桃色の花びらが舞い落ち、落ちた花びらは歩道に桃色のカーペットを作っている。

ゆっくりと歩みを止め、肩掛け鞄から一眼レフカメラを取り出した。

ゆっくりとカメラを構える。