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Vampire question
月明かりに照らされて蒼白く浮かび上がる肌。
薄いローブからゆっくりとあらわになってゆく女の肢体は、妖しく、美しかった。
ベッドで裸のまま横たわっていた男は、それから目をそらすことが出来なかった。
女は、男の方へと歩み寄り、細い指先で男の顎をすくいあげた。
美しい女の相貌を間近にして、男の顔は紅潮した。 しかし、そこに貼りついていた表情は期待に満ちた笑みではなく、恐怖と、これから起こることへの不安だった。
「怖がらなくてもいいわ…。全て、私にあずけてくれればいいの…。さ、目を閉じて身体の力を抜いて…」
女の囁きは甘く、男の心を魅惑した。
恐怖と不安に身を硬くしていた男であったが、囁きに抗うことが出来ず、やがて目を閉じ、誘われるままに女と唇を重ねた。
…微かに、血の味がした…
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