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月明かりで壁に映し出されていた影は、二人から、やがて一つに変化した。
女の舌は、男の唇を弄び、次第に頬へ、やがて耳へ、ついには首筋にまで到った。
ふいに、女が何かを囁こうとするのが聞こえた。
しかし、それと同時に男の耳には別の音が響いた。…それは、鋭い歯が、肉に食い込む音…
恍惚の表情を浮かべていた男の顔は一変し、大きく見開かれた目には、女の顔が映し出されていた。
…満足気に笑みを浮かべる女の唇からは、大量の鮮血が滴っていた…。
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