序章

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2004年某月某日 銀座 『リーチ…』 男は右手で静かに千点棒を置いた 男には勝てる自信があった オーラストップ、親、二着とは一万八千差のピンズ五面張、場にまだあまり見えてなく山には白ポッチも埋まっているはず 鉄板リーチだ 『怖い、怖い。ノってる人は違うねえ…』 下家の中年が呟くと同時に牌を置く この勝負に勝てば七千万が手に入る ここまではミスなどないはずだ 七千万さえあれば必ず這い上がれる この暗いどん底の生活から 祈るように牌を掴んだ 持ってきたのは北 【くそっ…早く引いてこいよ…】 男は少しふてりながら牌を置いた その刹那… 『ロン…』
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