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劣悪な環境と不法な労働時間が通常の神経では耐えられるわけもなく大半の者は3ヶ月で廃人もしくはコンクリートに埋葬される 『あと1ヶ月…耐え抜いてやる…』 そうシンと呼ばれた男は呟き静かに眠りについた 2006年5月某日 山梨県某所 『お前やるなぁ。この「監獄」普通に出れたのはお前で三人目だよ』 そう言葉をかけられシンは少し微笑んだ 『もう戻って来るなよ』 シンは頷き静かに車に乗り込んだ 【やっとだ…やっとあの時の悔しさを晴らせるチャンスができた…】 思い返せばこの約二年間本当によく耐え抜いた 女も酒も、そして何よりギャンブルのないその世界はシンにとってまさにこの世の地獄だったであろう この深い闇からやっと解放されたのだ
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