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行こうとしたのだがどこからか強い風が吹いてくる。まるでネロが行かないでと言っているように…。
「あれから1年も経つのに怒りと悲しみが消えないのは何故だろう。全然コスモスも現れないし…」
アークはまた芝生に寝転び言った。
「だね~。ネロが死んじゃった時は驚きすぎて、あんまり泣けなかった」
マインが涙眼になりながらアークの横に寝転ぶ。
「ちょっと…!…まぁいいわ。こんな気持ちで行っても楽しくないわね」
クオンもサボり組に加わった。
「おやおや…こんなところでサボっていていいのかい?また成績が下がるよ?」
「おおきなお世話だクリス…ここは聖地だぞ。失せろ!」
アークが言う。
「そんな顔で言われても凄みに欠けるね…だけど今日は君達と喧嘩しに来た訳じゃないんだ」
クリスはそういうと、隠しもっていた花束をネロのお墓の前に置いた。
そして指で十字架を描き、祈る。
「お墓参りに来てくれたんだ。ありがとう」
マインが素直にお礼を言う。
「ぁあ…」
そう言ってクリスは去っていった。
少し涙眼になっていたのは三人共気づいていたが。
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