少年野球編

140/156
前へ
/348ページ
次へ
そっと小山のもとに監督が 駆け寄る 「飛鳥…… お前足怪我してるだろ?」 怪我が監督にばれた。 「怪我なんて……」 すると 「隠さなくて良い 私はもう分かっている」 「でも…… 俺が降りたらピッチャーは…」 ついに 小山が足の負傷をまわりに 言ってしまう。 驚きよりも悲しみに満ちた 顔つきがグランド上で 一際目立つ。 その瞬間― 長谷部が勝利を確信したのか 拳を握り絞めて… 高々く笑い声をあげた。 その笑い声が ライガーズナインにじりじりと聞こえ伝わる。 「分かった飛鳥 ピッチャーを交代するから お前は別のポジションに行け」 「ピッチャー交代って…… まさか」 「そう…そのまさかだ」 そう言うと 選手全員は一人の方に 顔を寄せる。 ………………………………… しばらくすると アナウンスが… 「えぇ… 箕谷ライガーズ守備の交代を お知らせします。 ピッチャーの小山くんに変わって…… 鬼頭くん」
/348ページ

最初のコメントを投稿しよう!

598人が本棚に入れています
本棚に追加