少年野球編

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その言葉を 簡単に受け入れた。 「鬼頭………」 「鬼頭!?」 驚く霧島― (あいつ… どういう事だ?投手なんて) 内心驚く長谷部だが 言葉には出さない。 それにしてもこの場面… まさかの刃琉樹への投手交代。 これにはある理由があった。 それは一ヶ月前… 監督が小山だけでは 何かのトラブルが起きたために1ヶ月間…刃琉樹に投球練習をさせて来た。 もともと刃琉樹には肩がある。 その肩を利用した。 球は意外にも速く100㎞― いよいよこの絶対絶命の場面。 ライガーズの勝運を背負い 4年生、鬼頭刃琉樹が マウンドに立った。 その初球!! 「ボール!!」 大きく外れてボールになった。 やはり 1ヶ月の猛練習といえどこのような緊張する場面で登板すると制球も定まらない。 しかし 少年野球は成長が早い。 次からの球を連続して ストライクにすると… 第4球目を打たせて サードゴロに打ち取った。 刃琉樹の初マウンドは 上場の出来だった。
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