少年野球編

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「おぉーすげぇぞ刃琉樹」 チームみんなに 出迎えられる刃琉樹。 「よしっ!! この回で点取ってやろうぜ」 「オー!!」 窮地に追いやられたチームとは思えない友情、団結力が 彼らにはつけ供えられていた。 この回の先頭は1番藤本。 どうしても打ちたい場面。 マウンドにあがる倉橋。 しかし様子がおかしい。 胸をおさえ苦しそうな表情を している。 実は倉橋も先程の小山を負傷さした打席の際― ヘットスライディングの 滑り始めが遅すぎて 右胸を負傷した。 速い球を放るにおいて 肩、肘の次に大事な「胸」 これでは痛みを気にして球を 投げれない。 しかし― 「ストライクバッターアウト!!」 まるで負傷なんて分からないかのようなフォームで 藤本を三球三振に打ち取った。 このピンチに 倉橋を付き動かした物は 「次は打たれない」という エースのプライドだった。 (延長になろうと 絶対に俺が抑えてやる) 無理承知で自分の体を限界に 追いやり…… 気合いを入れながら 球を投げる。 「ストライクバッターアウト!!」 今までに見た事のない 球の速さ… 球速はなんと 120㎞に達していた。
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