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刃琉樹が
明らかな悪球を捕えた。
打球は空き地を裕に越して
塀を越えてどこかに消えてしまった。
「…見た?…見た!?
今の見た!?父さん!!!」
「…………」
父さんは
驚きのあまり声が出ない。
5才とは思えない飛距離。
そして
何より…
ど真ん中をまったく打てない
刃琉樹が普通の人なら避けるような悪球を打った。
そこで…
父さんは全てを悟った。
「そうか…
刃琉樹は運動神経が悪かったわけじゃない。
アイツは悪球をストライクとする不思議なバッター。
いわゆる
『悪球打ち』なんだ!!」
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