オープニングディスターバンス

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五分程、学徒共同通路を走って大講堂に入る。   大講堂、高さ約五メートル、横幅は八百メートル程の大きな集会所の事で、全ての生徒を収容出来る。   入口となる、開放されている観音開きの扉を通って講堂へ入る。 中には大人数が集まっていた。 全生徒に近い人数が講堂に集まっているのだろう。大講堂は一杯に埋まっていた。   「ちょーい。こっちこっち」 講堂に入って自分の並ぶ列を探していると、ふいに、小さくそんな声が聞こえた。   「おう、そこか」 声がした方を見、そこにシェリスがいたので、小声で返しながら小走りで近寄る。   「なんで俺見捨ててとっとと言っちゃうかねー。ガーゴイルに急かされたぞ」 少しばかり息を荒げて言う。まぁ長距離を走って来たのだから当然だろう。   「いや、それよりさー。ガーゴイルと会話すること自体がちょい変なんだって」 シェリスが少し呆れた感じで言って来る。   「なにがだよ?」 列の最後尾に並びながら返事を返す。   「ガーゴイルは只の門番なんだから、会話しても意味が無いって良く言われてるよ?いやあたしもたまに話すけどさ」 シェリスが何となく言いずらそうに言って来る。 その論は多分一般生徒の意見だろう。この考えが初等部にまで浸透しているだろう事を考えると頭が痛くなる。  
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