オープニングディスターバンス

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演説台に向かって駆け出した極彩色のスーツを着た男が跳び上がり三回転捻りを付けて演説台の手前に着地、設置してあったいたいけなマイクをどこぞのロックンローラーの様に構え、   「はぁ~い皆さん元気ですか元気ですねー今から毎年恒例のゲームを始めます拒否権と質問は受け付けないのでー初等部の人は初等部棟に行って下さい中等部は中等部棟へ高等部は高等部棟にて宝探しをしてもらいます宝は宝らしくとっても判りやすい形ですさらに宝を手に入れた生徒には単位をあげちゃいますので頑張って下さいねただしその権利があるのは一つの宝につき一人なので御注意をあと宝はここに持ち帰ってねそれではスタート!」 どう考えても一呼吸では言えない筈の長ったらしい台詞を矢継ぎ早に繰り出し、言うだけ言った瞬間に演説台に倒れ込み、動かなくなった。   生徒全員が一瞬何を言われたのか理解しなかったが、その言葉が壮絶な意味を持っている事に気付き、我先にと大講堂から飛び出して行った。   「俺が先だー」 「いや私がー」 などというまんま過ぎる言葉を言い合いながら大講堂から出て行く生徒達。 講堂内に残されたのは、ダウンしている理事長と放置された学園長(剣)、それから数人の生徒だけだった。教諭陣もいつの間にやら姿を消している。  
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