4人が本棚に入れています
本棚に追加
「僕が言えるのはこの辺りまでかな。ちゃんと校舎内に行ってねー」
へらへら笑いながら理事長はゆるく手を振っている。
「それじゃあまずは、図書棟に行ってみよう」
俺がシェリスに言った。
学園のほぼ中央に位置する図書棟には幾千もの本が鎮座している。
中には歴史的価値が非常に高い物や魔導書までもがあるため、セキュリティーはガーゴイル以上の物もある他、司書までもが某戦闘種族級の者揃いなので、盗っ人は即座に捕縛、地獄の折檻を受けるそうな。
まあ、本を拝借しなければそのような危険は無いため、結構な数の生徒が休憩時間には集まる。
「いいけど……あると思う?校舎内って言えば校舎内だけど」
シェリスは疑問を持ったらしく、頭を捻っている。
「そこだ。゙無さそゔな場所の方がある可能性は高い筈。そこを狙ってみるんだ」
俺は軽く拳を握り締めて力説する。
もう講堂内には俺達しかいないため、随分と声が響いた。って、理事長まで消えてるよ。
「おお、ナイスアイデア!早速実践だねっ」
シェリスは言うが早いか、いきなりダッシュをかけた。
「うぉう、張切ってんなー」
俺は軽く息を吐き、シェリスの後を追い掛けた。
最初のコメントを投稿しよう!