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雑誌や新刊の並べられた棚の脇を通り、書架欄に入る。
図書棟は一階が円形、五階までが正方形という奇抜な形状なので、受付を中心にぐるりと円を描いている。
階段は受付の隣に三つ、螺旋状に並べられていて、随分とデザインが良い手すりと共に目立つ。
少し歩いて推理小説のある書架欄に入る。間に隙間があるので、隣接した書架欄に渡る事もできる。これは普通の図書館にもある。
だが、流石に巨大かつ大量の本があるだけあり、稼動式の梯子なんかもしつらえてある。
コナン・ドイルの著書や英名のタイトル、怪人二十面相等の有名な書本が軒を連ねており、一部の棚には生徒が書いたのだろうレビューが記された小さい紙が挟まれている。
その紙も白い物から色褪せて茶色くなった紙も有り、歴史を感じる。
と、そう思いながら歩いていた所に、人影が現れた。
長い黒髪を無造作に垂らし、銀縁の丸眼鏡を掛けた少女だった。
学園指定の制服を着ているし、生徒なのは間違い無いだろう。
さらに、その制服はかなり普通だった。
袖は手首程まで、スカートも足全体に被さっている。
しかし、上着に大きなブックフォルダを据え付けられていて、中にはハードカバーや文庫本が敷き詰められている。
現れたのは正面からだというのに何故背中の物が見えるか、その答えは簡単。
小さいのだ。
俺よりも遥かに。
俺は大体1.7m位だが、こちらの少女は1.3m位だろうか?かなり小さい。
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