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シェリスの奇声が背後から聞こえないでもないが、とりあえず霧亜を降ろす。
「人を抱えて走るなんて無礼にも程がありやがります。それから、さっさと遺影を返しやがれ」
霧亜はまだ少し興奮しているが既に幾分落ち着いている様で、冷静に遺影の返却を求めて来る。
「ああ、なんか二重の意味でスマン。だがなぁ、あいつから逃げるならあれぐらいしなくちゃならないんだ」
特に断る理由も無いので遺影を返却しつつ、言い訳がましい事も言ってみる。
「ふん。そんな事はどうでもいいです。ほれ、さっさとこいつを証明するです」
そう言って霧亜は階段を降りて行く。
ふと気になったので空書架の方を見てみる。
激しい光が瞬いている。
何をやっているのか気になるが、首を突っ込んだら危険っぽいので俺も階段を降り始めた。
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