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「―――くぁ」
日差しが目元に当たり、意識が覚める。
全身にじっとりと脂汗が浮いている。
あの日の悪夢を見るのは何時ぶりだろうか。
「ぬ……」
とにかく布団から起き上がり、ユニットバスに入り汗を流す。
「―――はぁ」
嘆息し、ユニットバスが出て体を拭き、下着を着る。
「さて、と」
カッターシャツを袖に通し、ボタンを絞める。
次に丈長な黒いズボンを履き、シャツを中に入れ、ベルトを絞める。
そして、これまた黒い右裾の無い、俗に言う学ランを羽織り学生証とパスがあるのを確認し、椅子に置いておいたカバンを手に取る。
そうして、ようやく部屋から出る。
八部屋二階建ての、三年前に建て直されたばかりの普通のアパートの一室から出る。
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