オープニングディスターバンス

2/25
4人が本棚に入れています
本棚に追加
/27ページ
「―――くぁ」 日差しが目元に当たり、意識が覚める。 全身にじっとりと脂汗が浮いている。 あの日の悪夢を見るのは何時ぶりだろうか。   「ぬ……」 とにかく布団から起き上がり、ユニットバスに入り汗を流す。   「―――はぁ」 嘆息し、ユニットバスが出て体を拭き、下着を着る。   「さて、と」 カッターシャツを袖に通し、ボタンを絞める。 次に丈長な黒いズボンを履き、シャツを中に入れ、ベルトを絞める。 そして、これまた黒い右裾の無い、俗に言う学ランを羽織り学生証とパスがあるのを確認し、椅子に置いておいたカバンを手に取る。  そうして、ようやく部屋から出る。 八部屋二階建ての、三年前に建て直されたばかりの普通のアパートの一室から出る。
/27ページ

最初のコメントを投稿しよう!