4人が本棚に入れています
本棚に追加
海に掛かった一本の巨大な橋。そこを列車が高速で走る。
とは言っても橋の長さはべらぼうに長いので、高速とは言ってもゆっくり進んでいる様に見えるだろう。
「ねぇねぇ」
と、そんな事を考えていると、シェリス(さっきからいる活発な女子)が袖を軽く引いて来た。
「ん、何だ?」
俺は何を言われるのかさっぱりなので、取り敢えず質問する。
「うん。まあ大した事じゃ無いんだけど……」
なんだか知らんが少し聞き難そうにもごもごしている。
「どうした?大した事じゃ無いなら早めに言っとけよ」
俺もまぁ付き合いは長いから簡潔な答えを期待しながら催促する。
「む、なんかちょっと冷たくない?……まあいいんだけどさ。いやね、今年は同じクラスなのかなーって思ってさ」
若干ブーたれていたがすぐにいつもの調子に戻って聞いて来る。
「んー、どうだろうなぁ。一緒だったらいいんだがなぁ」
ぼけーっと白く輝く海面を見ながら少し投げやり気味に答えた。
「うん。そうだねっ」
ぼんやりしていたからだろうか?その時のシェリスの顔が今まで見た事が無い位に綺麗に見えたのは。
「む、まぁ、そうだな」
頬を掻きながらシェリスから目を逸らして海を眺める。そういや、何でこんな感じになってんだ?俺は。
最初のコメントを投稿しよう!