言始め

3/3
前へ
/129ページ
次へ
「くそ……アルフ兄には頭が上がらねぇ……」 「ソウヤ、何か言ったか?」 ソウヤの呟きをアルフは 目ざとく聞き取る。 「何も……」 半ば諦め顔でソウヤは返事をする。 先程から会話に出ているアルフという青年。 歳は18でかなり優柔不断。 そして父親はニック。 レオン達の物語に出ていたあの赤ちゃんがこのアルフ。 年月がたつのは早いもので立派な青年に成長していた。 そしてソウヤ。 フルネームはソウヤ=ソルテュード。 あのカインの息子。 15歳。 上と下に女の姉妹がいる。 ちなみにただいま家出中。 時たま表情が陰る時があり、過去に何かあったのか感情が酷く不安定。 そしてハンターが嫌い。 今は二人でとある街の、とある人物達に会いに行く途中。 流石に三日も野宿を繰り返し移動して来ているので二人からは疲労の色が見える。 「アルフ兄、まだつかない?」 「俺もそう思ってたところだよ」 二人は顔を見合わせ、溜め息をつく。 「……あ」 唐突にソウヤが声を漏らす。 「ん?」 「ついた」 ソウヤが一点を指差す先に、木々の間から目的地が見え隠れしていた。 目的地の名は、 ミナガルデ
/129ページ

最初のコメントを投稿しよう!

254人が本棚に入れています
本棚に追加