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「え~と……ティス…ちゃん?」
ソウヤは恐る恐る、ほんの少しの勇気を振り絞って話しかけた。
「よく出来ました~パチパチ~」
と、けだるそうに手を叩くティス。
「ティアナさんから言われてきたんだよね?」
「その通りです……もう一人のナナミは両親にべったりだから来ませんよ」
「そ、そう」
「ちなみに私は10歳です」
「へ?」
「ひら~り……」
それからティスのけだるい案内でギルドに到着。
どうやらギルドはかなり繁盛しているようでハンターらしき人達の出入りが激しかった。
「ギルド本部が解体したのに凄いな」
アルフの感嘆とした言葉も無理はない。
実際にギルド本部は過去に起きたバロックの反乱で悪事全てが明るみに出て解体。
その後、新制度が発足された。
それは街自体が一個のギルドとして運営する事。
さらには個人でギルドを持つ事も許された。
今では様々なギルドが世界で飛び回っている。
そんな中、相次ぐシェラトン兄弟の死去。
そしてミナガルデのギルドマスターの後任がなんとティアナ。
ティアナは混乱の中しっかりとギルドを支え、ここまでやってきていた。
ギルドに入ると見た目以上に人の数が多かった。人を探すのには時間がかかると思いきや。
すぐにその人は見つかった。
「お母さ~ん」
ティスの後をついて行く。
「お?来たね、ソウヤ君にアルフ君」
ギルドマスター、
ティアナは貫禄たっぷりに笑みをこぼす。
その笑みは昔から変わっていない。
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