Scene1

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多分、恭介はどんな乗り物でも運転の仕方さえわかってしまえば、華麗に乗りこなせるだろう。   「海、うみ うみうみー、うーみーぃっ♪」    地図を見ながら葉留佳さんが歌いだす。 うみ、と発音するたびにテンションが上がっていくらしい。   「はしゃぎすぎです」  西園さんがつっこんだ。    「だってー、海は初めてなんだもんっ」 「この時期に浮かれすぎて、海につっこまないようにしてください」   「水平線も地平線もばんばん眺めるよ!!」 「地平線は関係ありません」   「え、ビート板持ってきたのに!!」 「風邪引いても知らないよ……しかもカナヅチなんだ葉留佳さん…」   「ガーンっ!? お、泳げないのですかぁ~っ!?」 「いや、もう寒いからさ…」   「うぅ……日本の海は店じまいが早いのですねぇ……」 「また今度夏に来ようね、クーちゃん」    よしよし、とクドを小毬さんが慰めていた。image=119689353.jpg
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