捜索

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「も……ダ、メだ……………って……んんっ!!?」 肩で息をしながら、涙が溢れる。呼吸も苦しそうな春日に亜希は乱暴にキスをする。 あれからどれくらい時間が経過したのだろうか? 持っていた時計の針を見る。 ―――7時23分――― 奈津と帰って来てから2時間以上は経過していた。 春日はゆっくりと瞼を閉じた。 《……………春澪》 心の中で呟き、目覚めさせるのは本当の春日、内側に眠らせていた自分を呼び起こす。 「……春日君?」 耳元で囁かれる言葉に春日は瞼を開いた。口にする言葉は鋭利な刃物の如く、全てを見られるかのような切れ長の瞳。 「ったく、いい加減にしろ。ただでさえ人で遊んでんだ。少しは大人しくなったらどうだ!?」 今までの春日とは思えない男らしい口調、両手両足の拘束を外すと、呆れたのか怒っているのかも分からない瞳で二人の事を見下ろした。 そのまま、一つ溜め息を吐くと踵を返して部屋を出ようとした。 亜希は春日の言葉に戸惑っている。このまま部屋を出れば春日の勝ち……だった。 「―――奈津は許してないよ」 「えっ?」 服を掴まれ、壁に叩き付けられた。背中に激痛が走り、同時に呼吸が苦しくなった。 「な、奈津……?」 春日の言葉は奈津には届いていない。背筋が凍るような瞳で春日の事を見ている。 その手は春日の首筋からゆっくりと下に降り、服を強引に破り捨てていく。 「な、奈津!?ダメだ。これは……!?」 「黙りなさい!?貴方は奈津の物なの。髪の毛一本から血の一滴に至るまで、貴方には自由意志なんて無いの。奈津にされるがままの人形、貴方は主人である奈津にだけ従えば良いの!!?」 近くにあったカッターを取り出し、刃を出すと春日の鎖骨辺りを軽く切った。 「……痛っ!?」 傷口から溢れる春日の血を奈津は美味しそうに飲む。 奈津が一回血を飲む度に、春日の身体はビクッと痙攣する。 「アハハッ!?春日君の血、美味しい」 春日も抵抗しようとするが、一瞬だけ視界がボヤけた。 尚も傷口から血を吸おうと奈津、多分、献血程度の損血なのだろう。 暴れようとする春日の身体を押さえ付け、奈津は首筋を甘く噛む。 「ダ……メ……………ッ……」 遠のく意識の中、奈津の言葉だけが頭の中に残った。 《奈津の物になりなさい》 春日はそれに頷いた。奈津は笑い首筋から唇を離した。 そして……。 「これで貴方は奈津の物、奈津の事を主と認めた事で良いわね?」 「……はい」
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