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寝言を言っている奈津を抱え、奈津の部屋に連れていく。
ベッドを見付けて、奈津を静かに寝かせる。
「……………パパ」
それも寝言なのだろうが、同じ人生を歩んで来ていた事が愛おしく感じた。
奈津の母・早苗は海外への出張が多く、家に戻る機会は少ない。
それは春日も同じなのだ。
家に戻り、玄関を開けても出迎えてくれる人は居ない。
孤独な世界を知っている近い存在、だから、より親近感が湧くのかも知れない。
同じ人生。
同じ孤独。
同じ、奈津と春日の人生は何もかも酷似していた。
「んっ……春日、く、ん?」
奈津の目がゆっくりと開いた。
奈津はベッドに寝かされており、同じベッドに腰掛けている春日の姿がある。
何を思ったのか、慌てて服を確認するが、どちらとも乱れは無い。
それが不服だったのか、奈津は溜め息を吐くと、横目で春日の事を見つつ……。
「こんな美女を目の前にして、襲うって言う甲斐性は無いのかねぇ~」
と、物凄く残念そうに愚痴って来た。
だからね、義理とは言え姉弟なんだから、その選択肢がある時点で変だろ。普通!!
などと言う言葉を言っては、こちらの貞操が危うくなるので、喉元まで出て来たのを飲み込んだ。
「義姉さん、僕は姉をそんな目では見ませんよ」
優しく語りかけたまでは良かったのだが、奈津の息が少し荒い。
「……大丈夫ですか?呼吸が苦しいのなら背中を摩りますが……」
「ち、違うの……違うん、だ、けど……ごめん、もう、我慢、出、来な……く……っ!?」
奈津に腕を引かれ、ベッドに横になる春日。
そして、馬乗りになると春日にキスをしてきたのだ。
「義姉さん、だ、ダメだってば……ぁ!?」
逃れようとする春日だが、左肩の火傷で抵抗にも限界がある。
それに、先程から奈津からは妖艶な香りがする。
逃れようとする春日に対し、奈津はキスをしたまま、春日の服の中に手を忍ばせる。
「んっ……あ、っ……んんっ!?」
身をよじる春日だが、肩の火傷で動く度に痛みが走る。
「大丈夫、奈津が全部、壊してあげるから……」
優しく問い掛けて来ても、今の奈津は怖かった。
可能な限りの抵抗も奈津の力に勝つ事が出来ず、行為を止める事は出来なかった。
湿った唇が首筋に触れる。
「あっ……っ!?」
吐息が漏れる。
何故だか分からないが、奈津の行為は確実に進んでいる。
先程とは、まったく変わってしまった。肩の火傷を気にする訳でも無く、強引に行為を進められていく。
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