第一章 暗い道を歩いて

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「誰だ!返事をしろ!」 雷の言葉に反応したのか小さい足音が聞こえ次第に大きくなる。 雷の前に現れたのは腰に長剣を持った髪の長い男だった。 「ふん、誰だお前」 謎の男は鼻で笑った後、雷に向かって言った。 雷はその男の返答に、名を名乗るなら自分からと言葉にした。 「威勢だけはいい小僧だな」 相手を挑発するかのような口調に雷も次第に怒りがこみ上げてきていた。 「何でこんな暗い道にいるんだ?」 雷は男にむかって聞くと、男は何も答えず雷の方に向かって歩いてくる。 「ここで死ぬ奴に言う事じゃないさ」 男がそう言ったと同時に雷は前に倒れ込む。 一瞬の出来事だった、雷のわき腹に男の細い長剣がめり込んでいたのだ。 「くはっ…」 雷の口から少量の血が吐き出される。 そんな雷の前に男が上から見下していた。 「惨めだな、小僧ごときの力ではこの先には行けん」 男が雷に向かって吐き捨てる。 「な、なんだと…」 男は膝をつき倒れそうな雷に長剣の先を突き付ける。 「ふん、小僧ごときの人間がこの先には行けないと言ったんだ」 「いいから引き返すんだな、気が変わった命までは取らんから早く帰れ」 男からそんな言葉を聞いた雷は下を向きながら拳を震わせている。 「ふ、ふざけるなぁぁぁ!」 雷は背中の剣を抜き男めがけて斬りかかる。 しかし雷は両手で力いっぱい斬りつけたが男は片手で受け止めていた。
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