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月の光さえ遮る鬱蒼とした森の中、二人は出会った。
「超期待の新人星術士のルカでーすっ☆握手したげるからそこのいてくんなぁい?」
この場にそぐわない声が響いて、森の闇に消える。
そう。
みるからに怪しげな黒ずくめ四人が、たった一人の男を取り囲んでいるこの状況には。
唐突な介入者に黒ずくめの注意がそれた隙。
四連発式パースエイダーの乾いた銃声が響く。
目前の人の死にも、歯牙すらかけずに見つめ合う。
ゆっくりと。
復讐の歯車が動き出す。誰にも聞こえること無い水面下で確実に。
二人の間に流れる静謐な沈黙を破ったのは、ルカと名乗った介入者。
汚れを知らない青い瞳は男を逃さずに、そして、介入した時の気軽さで言った。
「行こう。一緒に」
それが全ての始まりだった。
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