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愛しいキミへ
終わりのチャイムが鳴り、席を立とうとすると
「相馬君今日は
少し残業してもらえないか?」
課長に声をかけられた。
「イヤ無理です!」
「無理ってなんでだね?」
「運命なんです!」
そう言うと俺は走り出していた。
その後ろ姿を口を開けて見送る課長がいた。
店の前につくと心臓が高鳴る。
(もしイヤな顔されたらどうしょう?)
悩んだ末に思い切って店に飛び込むとオバチャンが顔を出した。
あれ? あの娘じゃない……
「サキちゃんお疲れ様!」
「お疲れ様です!」
あの子が店を出ようとしていた。
「お客さん、何にしますか?」
「いりませ~ん!」
俺は店を飛び出すとオバチャンが口を開けて見送っていた。
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