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歩き続ける少女の目に映った二人の男。
我が物顔で道を進んで来る長髪の色男ともう一人、しっかりと髷を結った頭の良さそうな男だ。
髷の男は腰に刀を差している。
少女の目つきが一瞬にして変わる。
とても子供には見えない瞳。
その異様な空気に、長髪の色男も髷の男も歩みを緩めた。
二人の男と少女が擦れ違う。
キイィィンッと、長閑な田舎道に響き渡る乾いた高い音。
少女と長髪の色男は互いに刀を持ち、鍔ぜり合いの状態で膠着していた。
その光景に何より驚いたのは、髷の男だった。
唖然として言葉も出ない。
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