【風】

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――――― 今日は朝から顔がにやけてしょうがない。 烝には一人でにやにやして怪しいと言われたが、久しぶりに旧友に会えるのだから仕方ない。 なんだかんだ言って、烝も朝から随分機嫌が良いみたいだ。 それは鉄も稟も同じだ。 稟や総司のことについてはまたの機会に話せたらと思う。 色々あったんだ。 今は漸く皆笑えるようになった。 そして今日、かけがえのない友に会えるのだ。 だから余計に嬉しい。 「風!早うせい、置いてくで」 『ごめん、今行く!』 風は見ていた鏡を伏せて、足早に部屋を出た。 玄関では準備を終えた三人が待っていた。 こんなふうに四人で出掛けるのは久しぶりで、何だかそれも嬉しかった。

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