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もうすぐ今日の窓口業務が終了する……
時計を気にしている為か中々時間が進まない。
田舎の銀行の窓口に座るセイン・バレットはこの仕事が好きではなかった。
そもそも人とかかわるのが苦手なのだ。
閉店間際、入口のドアが開き、スタイルの良い一人の女性が入ってきた。
本日最後の客となる、35歳前後のアジア系女性がカウンターごしに自分の前に座る。
「本日はどの用な御用達件でしょうか」
「ああ……
これなんですけど……」
彼女は屈み込み彼の足元に置いてある大きめのナップサックをあけ、何かを取り出す。
ナップサックから取り出したソレを見た時、セインはソレを一瞬理解出来なかった。
ベレッタ……?
「やっぱり貴方には用がないわ……」
ゆっくりと自分の額に向け銃口が上がる。
セインはまだ訳がわからなかったが、銃口が額の位置で止まった時に漸く理解した。
銀行強盗……!
彼の意識は乾いた音が鳴った瞬間、暗い世界に沈んでいった。
銃声を合図にしたかの様に銀行の入口から大きめのボストンバッグを持ち、黒い戦闘服を着た一団が入って来た。
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