日記

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けど、ここに来て彼女が反抗しだした。 暴れ回り、何度も何度も彼女の拳が僕の腹や顔に食い込む。 スプレーの効果が薄らいだようで半開きの目。 それで的確に僕を狙ってくる。 しょうがない。 僕はスプレーを左ポケットから出すと、彼女に向けた。 彼女はスプレーを向けられると、反射的に顔を背ける。 僕はそれを待っていた。 彼女の左手にかかる手錠のもう片方を取ると、すぐ階段の手すりにかける。 彼女が暴れたせいで埃が舞っている。 僕は荒く乱れた息を整うのを待った。 口が切れたようで鉄の味を感じる。 脇腹や胸、頬も痛いし、何より頭がくらくらする。 静かに啜り泣く声が耳元に届くが、僕は彼女を見なかった。 やはり目を隠した方がいいなと考えた僕は、また階段を上った。
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