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コンセントの近くに着くと、僕は掃除機の尻からコードを引っ張った。
何度も何度も、コードを捨てさるように引っ張り出していく。
黄色いテープが見えても気にかけず、赤いテープが見えてコードが出てこなくなってから、やっと手を休めた。
後ろではコードがめちゃくちゃになっていて、先がどこにあるのかわからなかった。
コードをつまんで持ったりして探すのだけど、なかなか見つからない。
最悪だ。
気付くと僕は埃まみれの床に、手と膝をついて探していた。
切れかけの電灯のせいで目がチカチカして探しにくいし、気持ち悪い。
僕がようやくコードの先を見つけた時には、服や髪は埃まみれになっていて、肌がちくちくした。
僕は不快感を覚えながらも、コンセントをさっさと刺すと、ホースを持ってスイッチを入れた。
部屋にモータ音が鳴り響くのを聞くと、僕は部屋の端に移動した。
壁に溜まる埃や蜘蛛の巣をも、僕は無差別に吸い込んで行く。
上から下、上から下。
そう考えて僕は掃除機を壁からかけた。
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