日記

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僕は彼女の怒りの言葉をだいたい聞くと、部屋の外に出て、一階の和室に置いてある布団を取りに行った。 階段も廊下も埃っぽいが、あそこと比べるとかなり綺麗である。 先日、自分で掃除したからだ。 当初、二階へ彼女を招いて暮らして貰うはずであったが、 二階はベランダ伝いに行けば外に降りる事ができるのだ。 それは困ると言う事で彼女を下に招いた。 下は使う予定がなかったから、掃除はしておらず、今回のように動き回る事になってしまった。 僕は重い布団を押し入れから引っ張り出して持ち抱えると、また階段を下りた。 前が見えなくて、何度も足を踏み外しそうになる。 見えていても一段、一段がかなりの段差なので、僕は注意深く下りた。 そして下り終わると安堵のため息をついてから、部屋の中に入った。
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