558人が本棚に入れています
本棚に追加
彼女が暗くて少し寂しい小道に入って来る。
いつもこの時間に通るのは調査済みだ。
僕は車から出て彼女に後ろから近づいた。
眼鏡をかけて帽子を被った、念のため顔に絆創膏を張り、化粧で顔を黒くした。
準備はできた。
手には、切ったガムテープ。
音を立てないように、小走りになる。
彼女の後ろに立った。
呼吸を一回。
そして、顔の下の方にガムテープを適当に張り付けた。
自分から彼女の口は見えていない。
悲鳴を含んだようなくぐもった声が、彼女から出てきた。成功だ。
気にせず左ポケットに手を突っ込みスプレー缶を出す。
こちらに振り向く彼女の顔に向かって、拭きかける。
プシューと音がして液体が霧状に飛び散り彼女の目の中に飛び込む。
彼女は涙を流して座り込んだ。
最初のコメントを投稿しよう!