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息が荒々しく自分から出てくる。
あと少し、あと少し。
そう自分に言い聞かす。
右ポケットから手錠を取りだして、痛そうに目をこする彼女の右手にはめた。
間髪入れず後ろに回りこみ、彼女を押し倒す。
投げ出された手を後ろに持ってきて、また手錠をはめる。
足にも手錠をはめる、何度見ても細い足だ。
ずっと見ていても飽きないくらいの魅力的な足、いや足だけではない。
視線を走らせると彼女のすべてが、僕を魅了してきた。
時間が許すなら、このままずっと彼女を見ていたいと思う。
でも、それはできない注文だ。
やるべき事を思い出し、自分で自分を制御すると、顔を上げて軽く深呼吸をした。
闇がすっと僕の中に入ってきた。
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