真奈美視点

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彼はあの歳の割に、かなり紳士だと思う。 奢ると言ったのに、ちゃんと自分の分の代金は払い、更には家まで送ってくれた。 私はそんなに鈍くはないから、もちろん彼の気持ちには気付いているし、突き放さなきゃいけないとは思う。実際、そうしているつもり。 だけれど彼には全く効かなくて、しかも、私の中で厄介な思いが膨らんでしまった。 ――彼を、手放したくない。 もう一人になんかなりたくない。 でも、私の側にいてくれるのは、彼だけ。 自分勝手だと分かっているけど、……でも、 彼には側にいてほしい。
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