レン視点

6/7
前へ
/27ページ
次へ
「……真奈美さん、俺、酒飲めないっすよ」 ……そうだったわね、と彼女が俺を見た。 「……どこ行く?」 「俺、あんまり知らないっす」 彼女はふっ、と笑うと、俺の腕を掴んだ。 「じゃあ、お姉さんが連れていってあげる」 「……おばさん、の間違いじゃなくて?」 鋭く睨まれた。 「早く行くわよ」 はい、と俺はさりげなく彼女の手を握った。 すると、彼女がぴくんと跳ねた。 「……真奈美さん?」 彼女は首を横に振って、そのまま歩いた。 俺が若干後ろを歩いているのは、自信がないからだろう。 ……いや、そう思いたい。
/27ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加