渇いた喉

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「あのさ、和希。俺に隠してる事ないか?」 俺は、朝食を食べながら和希に聞いた。 「どうしたんだ?突然」 なんだか、和希はこの頃おかしい。 絶対、何かを隠してるんだ。 「だって、和希ってばこの頃変だよ」 「変?俺が」 和希は、箸を置いて俺を見た。 「俺が、和希の部屋に行ってもなんもしてくれないし。俺っ////」 「お前たち、朝早くから変な話をしているな…」 そういって、西園寺さんは俺の横にあきれた顔で座った。 「そうですよ、伊藤君。まるで中嶋さんの様ですよ」 と、七条さんは笑った。 「遠藤も、啓太に満足もさせてやれないのか」 「いや…そういう訳じゃなくてですね」 和希は、おどおどしている。 だって、和希ってば今まではどんなに帰りが遅くたって、俺が「したい」て言ったらしてくれたのに。 「そうですよ!七条さん、俺お願いがあるんですけど!」 西園寺さんの後ろに立っている七条さんに、俺は話し掛けた。 「なんですか、伊藤君?」 「あとででいいんで。俺のお願い聞いて下さい」 「いいですよ」 七条さんはそういって笑った。 「…啓太?」 「臣、啓太のわがままなんて聴かなくていいんだぞ」 「西園寺さんっ…」
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