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俺の隣りには必ず和希がいる。
「なぁ、和希」
「ん?どうしたんだよ。そんな深刻そうな顔して」
いつも側にいてくれるのは、嬉しいけど…理事長をやりながら、学生やっているのって大変なんだろうなって思う。
「あのさっ」
ピリリリ…
和希の携帯が鳴り、俺は話すのを止めた。
「…出ていいよ、和希」
「あ。ごめんな、啓太」
和希は電話に出た。
和希が忙しそうなのを見たら、なんだか俺は和希のお荷物な気がしてならなかった。
「ごめんな、啓太っ」
まただ…。
「いいよ。仕事なんだろ?」
「うん…」
忙しそうな和希を見ていたら、わがままなんて言えない。
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