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「おお!人間はこの状態では話せなかったな?わらわの失態じゃ、許せよ」
良いからさっさと手、離しやがれ!し、死ぬぅ~…ってわぁ!
「げほっごほ!」
「さぁ、一臣様の封印を破った事の釈明をして貰おうかのう?…その前に名を聞いておくかのう…貴様…名は何と言うのじゃ?」
「……四堂 和臣」
「……聞き間違いかのう?…もう一度聞かせてみるがいい」
「…四堂 和臣だ」
「…貴様…封印を破ったばかりではあきたらず、一臣様の名を騙る(かたる)「別に騙って何ていねぇよ…同姓同名の奴何て世の中にゴロゴロしてるだろ」
「異な事を言うで無いわ!この平安の世に名字を冠せられる栄誉を与えられた者など、一握しかおらぬわ!ましてや、そなたの様な凡俗の輩(ぼんぞくのやから)が名字を持つなど、天地が逆様になろうと有り得ぬわ!」
……うわぁ…痛い人か…なまじ容姿が綺麗だから、より痛いな…
「ん?なんじゃ、その同情するかの様な目は?」
「いえ、何でもありませんよ」
「…そうかの?…何か引掛かるが…まぁ良い。…封印札の件は不問にしよう」
「…良いのか?「ただし!」
「…ただし?」
「わらわは飲み物を所望じゃ!すぐ用意せい!」
…え~と…俺…命令されてる?
「…はぁ?何で俺がそんな事「嫌なら良い…その場合…」
その場合?
「せっかく拾った命を無駄に散らすだけじゃ」
…マジかよこいつ……たくっ、仕方ねぇな
「はぁ~…分かったよ。此所じゃなんだから、居間に行こうか」
「ふふ、分かれば良いのじゃ!さぁ、早くその居間とやらに案内せんか!」
…白湯(さゆ)でも出してやろうか…
そして、俺はこの少々おかしな女性を伴い居間へと向かった。
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