第一章~出会い~

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「おお!人間はこの状態では話せなかったな?わらわの失態じゃ、許せよ」   良いからさっさと手、離しやがれ!し、死ぬぅ~…ってわぁ!   「げほっごほ!」   「さぁ、一臣様の封印を破った事の釈明をして貰おうかのう?…その前に名を聞いておくかのう…貴様…名は何と言うのじゃ?」   「……四堂 和臣」   「……聞き間違いかのう?…もう一度聞かせてみるがいい」   「…四堂 和臣だ」   「…貴様…封印を破ったばかりではあきたらず、一臣様の名を騙る(かたる)「別に騙って何ていねぇよ…同姓同名の奴何て世の中にゴロゴロしてるだろ」   「異な事を言うで無いわ!この平安の世に名字を冠せられる栄誉を与えられた者など、一握しかおらぬわ!ましてや、そなたの様な凡俗の輩(ぼんぞくのやから)が名字を持つなど、天地が逆様になろうと有り得ぬわ!」   ……うわぁ…痛い人か…なまじ容姿が綺麗だから、より痛いな…   「ん?なんじゃ、その同情するかの様な目は?」   「いえ、何でもありませんよ」   「…そうかの?…何か引掛かるが…まぁ良い。…封印札の件は不問にしよう」   「…良いのか?「ただし!」  「…ただし?」   「わらわは飲み物を所望じゃ!すぐ用意せい!」   …え~と…俺…命令されてる?   「…はぁ?何で俺がそんな事「嫌なら良い…その場合…」   その場合?   「せっかく拾った命を無駄に散らすだけじゃ」    …マジかよこいつ……たくっ、仕方ねぇな   「はぁ~…分かったよ。此所じゃなんだから、居間に行こうか」   「ふふ、分かれば良いのじゃ!さぁ、早くその居間とやらに案内せんか!」   …白湯(さゆ)でも出してやろうか…   そして、俺はこの少々おかしな女性を伴い居間へと向かった。
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