‐片恋*・。‐

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『ぅわっ門のとこ生徒指導の板垣立ってるし!なつ!時間やべーからもう少し頑張って走れ!』     あたしたちはチャイムぎりぎりで 門をくぐる。     『「せーふ!!」』     笑いあうあたしたちの後ろでガチャンと大きな音を立てて門が閉まった。   『あー今日ももうつかれちゃったなー。めんどくせー。』     そう呟いたあっくんは 誰かに肩を叩かれて振り向いた。     『え…なんすか。』     あっくんの肩に手をおいていたのは 生徒指導の板垣だった。     『お前なんだその髪の毛は。』   『はあ?色のこと?自毛っすけど。』     板垣はふっとあざ笑うと あっくんの腕をつかんで校舎に引きずっていった。 うん。 本当に引きずるって表現が1番あってると思った。   『はあ!?いてっ!!まじいてーから!!』     あたしは校門にひとり残されて ただ呆然とあっくんと生徒指導を見ていた。   完全に二人が校舎に消えたあと ホームルーム開始のチャイムで現実に引き戻されたあたしは   「やばっ!!」   教室に向かって走り出した。
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