‐片恋*・。‐

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窓の外を見ると 校庭と校舎の間に堂々と立っている大きな桜の木が 今年もまさにその役目を終わろうとしている時だった。   「もう6月か…。」   あと少しで完全に葉桜になる桜を見ながら 一時間目の眠くなる古典を聞いていた。     あたしは今年で高校3年になった。     「今年で…最後…。」     遂にこの時が 来てしまった。     今まで何度となくチャンスがあったのに まるで自分には関係ないかのように 見て見ぬふりをしつづけた。   あと一歩の勇気がでない。     ずっと。
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