MARLOCK

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・ ・ ・ 目が覚めると、ユーリは知らないベッドの上に寝ていて、目の前には手があった。 「起きたか?」 手の主は見下ろすようにベッドの横に立っている。 死後の世界…というわけではなさそうだ。 身体の傷は痛むし、丁寧に巻かれた包帯で命が繋がれているのが分かったからだ。 「あなたは…スティーヴじゃない…」 目が霞んで見えにくかったが、同級生のスティーヴには全く見えない。 目は黄色く光っているし、耳が尖っているようにも見える。 スティーヴどころか、この世の者にさえ見えない。 「俺はマーロックだ」 そいつは言った。
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